痴漢冤罪と証拠について

POLICEMEN

近年問題になっているのが、痴漢と冤罪です。痴漢はその場で言われてしまえば、決定的な証拠がなくても有罪になってしまうことが多いとされています。

痴漢と証拠

気になるのは、何を証拠にして逮捕、起訴されるかだと思います。
痴漢事件で証拠となるのは様々なものが挙げられます。

繊維鑑定

まず挙げられるのが繊維です。いわゆる「繊維鑑定」を行います。

しかし、繊維は様々なところで似たものが使われているため、よほど特徴的な繊維の一致がなければ下着に使用されている繊維と似たものが指に付着していたというだけでは、有罪するのは危険だと思われます。

DNA鑑定

被害者の体液が被疑者についていれば、DNA鑑定を行うことができます。これが一致する場合には有力な証拠となります。

目撃者

目撃者がいる場合には、その供述が重要となってきます。具体的で迫真性があるか、不自然だったり不合理な点がないか、目撃者の位置から本当に反抗が見えていたのかや被害者の話と整合性があるか、事件直後の話や警察官からの聴取、検察官からの聴取という過程の中で話が変わっていかないかなどを検討されます。

これの要件を満たすことで起訴の判断材料となり、裁判になれば公判廷で証言する必要も出てきます。

被害者の供述

被害者自身の話も具体的で迫真性があり、不自然・不合理な点がないか、供述に変わりがないか、目撃者がいるときには目撃者の証言と矛盾はないか調べた上で検討されます。

これは裏を返せば具体的で不自然でなければかなり重要視されることだとも言えます。これも裁判で証言する必要があります。

本人の自白

本人の自白も重要となります。やってもいないのに自白してしまい、自白した内容の供述調書に署名捺印してしまうと、のちに冤罪だったとしてもこれを覆すことは極めて難しくなるため注意が必要です。

ただし、被疑者の指に被害者のスカートや下着の繊維が全くついていない、DNA鑑定しても体液が付着していない、目撃者も被疑者も話に矛盾があるなどの場合には十分な証拠とはいえなくなります。

実際の事件では満員電車などある意味密室で起こることが多く、被害者の供述のみで訴えられるということが多くあります。

そこで被害者の供述が信用するに足りなければ、事件にならない可能性もあります。

冤罪にならないために

満員電車内の事件は、客観的な証拠が得られにくく、判断が難しいものです。被害者だけの供述のみでは冤罪を生み出す危険性も考えられます。

しかし、明らかに不自然で不合理な点がなければ、被疑者の供述のみで有罪とされることは今後とも十分にあり得ることです。

冤罪にならないためには、女性に痴漢だと言われたら車内ではっきりと何度も否定する、慌てずにホームに降りたらスマートフォンなどでやり取りを録音し、なぜ犯人だとする理由を聞き、それでも女性が騒ぐ場合には名誉毀損で訴えると宣言するなどの対処が必要となってきます。

また、片手でスマートフォンや本を持ち、もう片方はつり革につかまるなどの痴漢できない状況を作っておくことも大切です。