山手線に防犯カメラ導入決定で効果はあるか?

ここまで、個人でできる痴漢対策を中心に考えてきましたが、もちろん鉄道会社でも各種対策が取られています
女性専用車両の導入はもちろんのこと 例え
ば痴漢防止のためのポスターや広告を駅構内
や電車内に設置するとなど、周知、啓発するような活動も行っていますが
正直なところ直接的な効果はあまりないのではないでしょうか
やはり最大の抑止力は、犯行を見られるという点にあります
しかもカメラでの記録であれば、刑事事件となった際の証拠としても十分です
最近のニュースでは、東京都内でも山手線に車内防犯カメラを2018年春から導入し
2020年までに全車両への導入を完了させるということで話題になっています
これは東京オリンピックなども見据えたテロ対策という側面もありますが、果たして車内防犯カメラによって痴漢にも効果があるのでしょうか

■車内防犯カメラの現状

実は、 山手線以外でも既に防犯カメラが導入されている路線は既にあります
JR東日本でも新幹線などでも防犯カメラが設置されていますが、これはどちらかというと痴漢以外の保安上の目的と言えそうです
在来線ではじめて防犯カメラが設置されたのは埼京線でした
2009年12月からということなので、かなり早期から対策が取られていたということですね
なぜなら、埼京線は痴漢の多い悪名高き路線だったからです
混雑度と駅の間隔が比較的長いことから、痴漢にとっては好条件ということが理由のようです
しかしカメラが設置されたのは特に混雑するとされる一部の車両のみでした
しかし、設置された翌年の発表では、実際の痴漢摘発件数は半減したということでした
もちろんカメラはすべての場所が映るほどの数ではありませんし、死角となる部分も多いはずです
カメラの設置が報道されたことなどもあり、心理的にかなり抑制効果があったということのようですね

■防犯カメラは痴漢に一定の効果あり

埼京線では一部の車両への導入にも関わらず痴漢は減ったとの実績があるため、防犯カメラ導入はそれなりの効果があったとは言えそうです
しかしそれでもなお、2010 年1月~2月の2か月間で、埼京線では15件の摘発がされているのには驚きます
当然、明るみに出るのは氷山の一角だと考えられるので、実際には相当の件数があったと見て良いのではないでしょうか
カメラの目を逃れて痴漢をすることで、よりスリルを味わうという側面もあるようです
そんな中、全車両への設置をするという山手線ではその本気度が伺えるので、期待しても良いのではないでしょか
その他、私鉄などの状況を見てみると京王線は2011年に一部車両で導入しています
東京メトロや都営地下鉄、東急電鉄などでもやはり東京オリンピックを見据え2020年までに順次導入を進めていくとしています
プライバシーや費用の面で運用が難しいこともありますが、痴漢の多い路線には他にも期待したいですよね

もしかして痴漢・・・?まず取るべき行動とは

次に、私たちが痴漢に遭ってしまった時、どうすればよいのかを調べてみました!
痴漢の多くが電車内で起きていることが分かりました。そのような時にまずどうすればよいのかを考えてみます。

■確実な場合には現行犯逮捕?

例えばもしもあなたが痴漢の被害に遭っていることが確信でき、しかも相手を特定できているということならば現行犯逮捕をすることです。
逮捕って警察官でないとできないのでは?と思うかもしれません。
しかし、現行犯であれば誰でも逮捕はできるのです。これを「私人逮捕」と言います(刑事訴訟法第213条)。

また

逮捕後は直ちに地方検察庁・区検察庁の検察官、又は司法警察職員に引き渡さなければならない(刑事訴訟法第214条)

とされていますので、速やかに警察官などに連絡をしましょう。

ただし、ここで気を付けなければならないことは基本的に「逮捕」という行為自体は人権を制約する行為なので様々な条件や制約などがあるということです。
逮捕の必要性も問われる場合もありますし(刑事訴訟法第199条)、違法な逮捕だった場合には逆に逮捕罪(刑法220条)、また誉毀損罪(刑法230条1項)などの可能性も含みます。
これらのように、逮捕の正当性を争われる可能性もあるのです。誰でもどんな時でも逮捕できるという事もよく聞きますが、要件があるため注意が必要です。

■まず拒否をすることと駅員さんに相談

はっきりと痴漢されていることがわかり、しかもその場で逮捕をする、ということは被害者にとってかなり勇気が必要なことです。また、本当にその人が痴漢をしようとしていたのか、加害者が誰なのか自信がないという場合もあるでしょう。
後々のトラブルの心配もありますし、声を上げることは多くの人にとっては、分かっていても行動に移すことは難しいはずです。

そこで、まずは拒否する反応をきちんと分かるように示しましょう。加害者本人は止める気がなくても周囲の人たちが気づいて、何らかの形で助けてくれるはずです。
どうしてもその場で言えなかった、周囲の人の協力を得られなかった場合など には、電車を降りるタイミングで加害者を呼び止めて電車を降りて警察官や駅員さんに対応を求めましょう。駅員さんなどは慣れているので、きちんと対応をしてくれることでしょう。
万が一逃げられてしまっても心配することはありません。ほとんどの駅には防犯カメラ等があるので逃げ切ることは困難なのです。
そのために、きちんと状況を具体的に説明できるようにしておくことが大切です。

■痴漢は犯罪

冤罪や痴漢詐欺が話題になることもあったり、後の争いのことなどを考えたりすると穏便に済ませておきたと思わないでもありません。
しかし、やはり痴漢は「犯罪」です。その後、場合によっては加害者との和解などもあるかもしれませんが、まずは法に従って司法判断に委ねるのが良 いのではないでしょうか。
また、例えば、街中での痴漢であれば警察官に相談(最寄りの交番や110番通報)となりますが、よほど大きな駅でもない限りはすぐに警察官のところまで行くのは難しはずです。
しかし、電車内では込み合った状況で行われることから他にもたくさんの人がいるはずですので、まずは助けを求めること。次に電車を降りた後に駅員さんに相談ということが一番現実的ではないでしょうか。

ついにこんなものまで!痴漢冤罪保険とは

最後に、男性側では痴漢のどんな対策が取られているのかを調べてみました!
男性専用車両の実現可能性が低いなか、万が一痴漢の疑いをかけられた時のために「痴漢冤罪保険」なるものがあるようです。
一体どんなものなのでしょうか?

■痴漢の疑いをかけられた時にはどうする?

少し前まで、「痴漢を疑われた時にはまずその場から逃げる」ということが得策とされていたようです。
ある時期まではテレビなどで弁護士がそのように語っていたこともあったようで、ある程度根拠があったことなのかもしれません。
しかし、逃走の結果、線路内に侵入したり、更なる事故を引き起こしたりと問題になることも多くあります。また、逃走したとしても、駅構内の防犯カメラなどで結局は身元が判ってしまうというケースも多いようです。
そのために、現在では「すぐに弁護士を呼ぶ」ということが一番の対策ということになっているようです。
しかし、ほとんどの人にとっては心当たりの弁護士などはいないはず。いざという時にどうやって弁護士を呼んだらよいものかと困ってしまうのではないでしょうか。そこで注目されたのがこの保険でした。

■痴漢冤罪保険とは

保険の内容は、痴漢の疑いをかけられた時にスマホで連絡することによって、全国各地の提携弁護士に連絡が行き、最寄りの弁護士がすぐに相談に乗ってくれるというもの。事件発生後48時間以内の相談料などの弁護士費用が補償されるそうです。

この商品は、「ジャパン少額短期保険」が始めたもので、「痴漢冤罪ヘルプコール」というサービスですが、個人賠償責任保険と弁護士費用保険をセットにしたものです。
これは何も痴漢のための保険というものではなく、万が一の事故に備えるためのものですので、日常的に巻き込まれやすい交通事故やスポーツでの事故などの賠償責任や過失がない場合の弁護士費用を補償するものです。特に目新しい種類の保険ではありませんが、何よりもボタン一つで連絡ができる「痴漢冤罪ヘルプコール」の機能に注目が集まったこと、月額590円、年額6400円という料金設定もあったこと、逃走したことがニュースでよく取り上げられているなどのことから話題となり、加入者を増やしているそうです。
ただし、あくまで冤罪の段階でのこと。逮捕、勾留されて被疑者となってしまった時の着手金などは対象外となっているので注意が必要です。

ここで注目したのが女性もこの保険が使えるという点。被害者の立場からは逆に、「痴漢被害ヘルプコール」という機能があります。そのため、女性の加入者もそれなりに増やしているということです。

日本の痴漢トラブルの現状。海外との違いとは?

■痴漢って一体どんなこと?

私は毎日いくつかの路線を乗り継いで東京都心まで通う30代のOLです。
通勤電車では様々な事件が起こりますが、中でも、最近話題になっていることもあって「痴漢」事件とは何かを改めて 考えてみたいと思います。
私自身、特に混み合うとされる路線に乗っているため、痴漢というと電車で行われるイメージがありますが、決してそれだけではありません。
痴漢という言葉自体は、辞書で調べてみると「女性にみだらないたずらをしかける男」やその行為自体のことを指しているそうです。そのため、電車以外で被害に遭う可能性もあるといことですね。
まずは痴漢を犯罪という面から見た時に、どうなっているかを調べてみました!

■日本における痴漢とは?

辞書通りの行為を犯罪として当てはまてみると、二つの犯罪の可能性が出てきます。警察などでも痴漢をこのいずれかの犯罪として定義しているようです。

まず、一番抵触する可能性が高いのが各都道府県や市町村などで定めている条例、「迷惑防止条例」の違反です。

次に、程度によっては刑法第176条の強制わいせつ罪となることもあります。罰則もより重く、6月以上10年以下の懲役となります。
より悪質な場合には強制わいせつ罪になるのでしょうが、親告罪という側面もあり単独での痴漢の場合には被害者の告訴が必要です。
一方、迷惑防止条例ではその行為を行っていたことだけでも問題にできるのです。
ちなみに、痴漢の被害は女性だけとは限りません。以前は迷惑防止条例の対象を女性と限定していましたが、現在では改正され、男性への被害にも当てはめることができます。

警察の統計などではこららの罪で検挙した件数は、半数以上が電車内で起きているという現状があるようです。その次には駅構内です。
特に東京都では混雑している電車や駅が多い状況もあってか 、この傾向が高いようです。やはり痴漢は電車内でよく起きているのですね。
ただ、人気のない夜の帰り道などでも被害は多いとのこと。家に着くまではいつでも痴漢に遭う可能性があると覚えておきましょう!

■海外での痴漢事情

ちなみに、海外では痴漢はどのようになっているのでしょうか。
電車内での痴漢というようなものは海外で、日本独特のものだと報じられることが多いようです。
「電車内での痴漢」というものは、満員電車などの通勤・通学というような都市部での状況や、、声を上げにくい女性が多いというような日本独自の事情によるものだというのです

ただし、このような痴漢に当てはまるような行為自体が海外では存在しないということではありません。問題視されていないというだけで、潜在的な問題として痴漢行為は存在しているようです。
確かに多くの国では日本のような満員電車はあまり見られませんし、海外では女性であってもハッキリと意見を主張するというような傾向にありますが、状況が揃えば痴漢のような行為は存在しているようです。ただ、日本ほど痴漢に対する法整備が進んでいないという現状があるようです。
海外旅行などでもやはり痴漢には気を付けるに越したことはないということですね。

そもそもどうして痴漢が起こるのか。原因と対策を考える

今まで痴漢とは何か、そして痴漢に遭った時や目撃してしまった時にはどうすれば良いかを調べてみまし た!
しかし、そもそも痴漢がなければ余計な心配もしないで済むはず。
男性側の欲求という部分から起こるということは前提のもとに、ここでは社会的、環境的な要因から痴漢の原因を考えてみましょう。
そうすると対策方法も分かってくるのではないでしょう。

■痴漢の起こる原因

・混雑している電車

東京などの都市部では朝と夕方の通勤、通学の時間帯を中心に非常に混み合います。
混雑している車内では自然と他人と身体が密着するとほどで、その気がなくても接触してしまいます。このような状況では自然にぶつかるように装って少し手を伸ばすだけで痴漢行為が出来てしまいます。また、死角が多いため周囲の目を逃れての行為が容易いものです。さらに、駅と駅の感覚が長いという路線での被害も多いようです。
空いている電車内での痴漢というものは明らかに目立ちますし、かなり難しくなるのではないでしょうか。電車内での痴漢が最も多いということの原因は間違いなくこれではないでしょうか。

・声をあげにくい被害者

もう一つの痴漢行為を助長させる要因は、被害者が訴えないことが多いということにあります。
大人しく、抵抗されないような人を狙っているようです。恥ずかしいという思いや、後々面倒になりそうなことを考えると、その場限りのものとして我慢してしまう人も多いのかもしれません。
痴漢をする男性には、性的な欲求を満たすというだけではなく、弱者に対しての支配という側面が強くあると言われているようです。
たくさんの人が乗り合わせている電車内ですので 、痴漢をされて反撃されることが当たり前の世界では、誰も痴漢はしないはずです
このように、対象者を甘く見てつけ込んでいるのではないでしょうか。

■原因から見た対策

・混雑している電車には乗らない

満員電車の問題は何も痴漢対策だけではありません。鉄道会社や自治体などが主導して、出勤時間をずらすなどのキャンペーンを展開するなど、満員電車解消に向けた取り組みが為されています。
ただし、個人だけの問題ではなかなか解決しないのが問題で、これが可能な人は限られているという現実はありそうですね。

・被害に遭ったら必ず訴える

やはり泣き寝入りしない姿勢を見せるということです。
痴漢をしても問題に、被害に遭っても黙っているから痴漢をしても良いの だという思い込みから犯行に及びます。
最初はほんの少し、身体が触れただけという事から始まり、次第に大胆な痴漢へとエスカレートしていくものです。小さなうちに芽を摘んでいき、「痴漢は必ず訴えられる」ということは最大の抑止力になるはずです。毅然として態度で、勇気を持った対処をしていくことが大切ではないでしょうか。

痴漢に間違われてしまった!偶然か故意か判断される方法は?

痴漢の場合、原則としては現行犯逮捕とされてはいますが、被害者の証言一つに委ねられているのが大半です。もちろん、目撃者がいればさらに信憑性は出ます。しかし、被害者に「この人に触られた」と腕を掴むなりして証言されてしまえば、それが優先されることが多いのが現状です。なかには、嫌がらせで痴漢に仕立てあげてしまうというケースも見られ、痴漢は冤罪が多い犯罪の一つと言えるでしょう。痴漢の容疑がかかりやすいのは、満員電車のような人混みです。電車の揺れや周囲の人に押されて、つい近くの女性に手が触れたということもあるでしょう。ぶつかってしまった相手によっては、「痴漢」と取られてしまう可能性は否定できません。

より詳細な捜査が行われる

「手が触れただけ」と言っても、逃げ口上という取られ方をされるのが落ちです。ただし、痴漢かどうかを判断するために、詳細に調べることは可能です。本当に痴漢行為を行なっていれば、被害者の衣服の繊維が加害者の指先に付着しています。繊維が検出されるかどうかを調べたり、被害者の衣服にも加害者の指紋などが残っているかどうかを調べたりすることは可能です。本来はそこまで行うべきですが、裁判にまで進んだ場合には判事(裁判官)の考え一つで判断が変わってきます。痴漢で逮捕されてしまえば、その日から生活は一変してしまうと言っていいでしょう。仕事があれば退職に追い込まれることもありますし、在学中なら中退や休学を余儀なくされることも出てきます。しかし、冤罪であることが立証されれば、逆に被害者であった人に訴訟を起こすことも可能です。冒頭でも説明していますが、痴漢は現行犯が原則です。冤罪が多いということもあり、常習が疑われるものは慎重に調査を重ねて逮捕するケースもあります。電車の場合は鉄道警察が調査を行うのが一般的です。被害を受けている人からあらかじめ聞いていた時間帯や路線に被害者と乗り込み、実際に痴漢が行われるのを確認するという方法が取られます。または、「不審な人物がいる」といった周囲の証言によって捜査を行うケースもあります。

一般客に紛れ捜査する

捜査に乗り出せば一般客を装って気づかれないように犯行を押さえるため、現行犯逮捕が可能なのです。もちろん、手が触れた程度のものでは痴漢とは判断されません。痴漢を実際に行なっている人は常習というケースが多いので、本来はここまでしっかり捜査を行うのが理想でしょう。被害者に多い女性の側からすれば、軽く触れた程度でも気分的には良くないかもしれません。しかし、1人の人生が左右されやすい重大なことなので、慎重さも必要です。それより、犯人を間違えて騒ぎ立てることで、実際の犯人に逃げられるケースもあることを考えておきましょう。痴漢で疑われてしまったときにできる方法としては、弁護士に一任することも一つの解決になります。それで必ず疑いが晴れるとは言いきれませんが、少なくとも代理人として心強い味方はできます。弁護士費用などが軽減される痴漢冤罪を対象にした保険も出ています。それほど痴漢は冤罪が多いと言えるのです。

取り調べが辛い!自白による冤罪を防ぐための方法とは

警察の取調べの現実

刑事事件が起きて警察により被疑者が逮捕されると、まず行われるのが警察による取り調べです。取り調べでは被疑者を相手に捜査が行われますが、取り調べには逮捕後48時間以内という時間制限があります。このため、警察によっては早く証拠や事実を掴もうと被疑者に対して威圧的な捜査が行われることもあるのです。日本では捜査をするにあたり、被疑者本人の供述を重要視します。自供が行われれば、完全たる証拠がそろっていなくても手続きを進めることができるのです。このため、警察は取り調べができるうちに早く自供を取ろうと焦ります。一方、取り調べを受ける被疑者は逮捕されたばかりで精神的にも混乱し、不安が高まっている状態です。警察署内にある殺風景で狭い取調室の空間に捜査官と向かい合わせで座ることにより、通常であればさらに精神的な混乱は激しくなります。また、逮捕後72時間までは家族とも会うことができないため、不安は一層高まってしまうのです。

取調べは過酷

このような精神状態のなかで警察による厳しい取り調べを延々と受けていると、現状に耐えられないという思いが湧き上がってくることは少なくありません。多くの場合、取り調べがあとどれくらいで終わるのかといったことは被疑者には伝えられないため、いつまで続くかわからない辛い時間を終わらせたいと、自白してしまう人もいるのです。しかし、無罪であっても自白をしてしまうと自白内容が供述調書に記載され、裁判での重要な証拠となって冤罪確定へとつながる可能性が高くなります。取り調べは延々と続くものではなく時間に制限があることを知り、罪を犯していないのであれば自白を決してしないという強い心を持って対応することが大切です。警察に話を誘導されたり、揚げ足を取って不利な内容に受け取られないようにしたりするために、黙秘権を使うのもいいでしょう。黙秘権とは、何も話さずに終始黙っていることができる権利のことです。しかし、取調室という特異な状況のなかで、黙っていることが辛い場合もあります。このような孤立した苦しい状況に追いやられることを少しでも防ぐためにも、逮捕後すぐに弁護士を呼ぶことが大切です。逮捕されたときに周囲に家族がいれば、家族に弁護士を呼んでもらえるように頼んでおくといいでしょう

迅速な解決のために弁護士へ

弁護士は本人だけではなく、家族や友人などによっても依頼することはできます。すでに逮捕されてしまっている場合でも、逮捕した警察署の警察官に弁護士の依頼を頼むことができるのです。逮捕後72時間は家族も友達も面会することはできませんが、弁護士は例外としてすぐに接見することができます。弁護士を呼ぶことで法的なサポートを受けることができるだけではなく、警察署での孤立した状況から打破することもできるのです。冤罪の自白が出やすいと言われているのは、逮捕された後すぐの弁護士がついていない状況といわれています。刑事事件では時間の制限があることにより、スピーディーに手続きが進められていくものです。少しでも不利な状況に自分の身を置かないようにするためにも、逮捕されたら迅速に弁護士を呼び、専門的な知識から冤罪を防ぐための適切な指示を仰ぐようにしましょう

電車で複数の男性に囲まれる「集団痴漢」!予防法は?

集団痴漢とは?

電車内は密室ということもあり、痴漢の被害に遭いやすい場所の一つです。単独の犯行でも卑劣ですが、複数人で行う「集団痴漢」も増えています。力も弱く身長の低い女性にとって、周囲を男性に囲まれての痴漢行為が行われてしまえば、そこから逃げ出すことは容易ではないかもしれません

被害に遭ってから解決策を考えるより、痴漢被害を回避する対策を考えることが先決です。そのためには、まず「集団痴漢」が発生しやすい場所を知っておく必要があります。電車での「集団痴漢」が多いのは、「先頭車両の角」と言われています。

実際に悪質な事件として取り上げられた集団での痴漢行為は、その多くが先頭車両で行われたものです。先頭車両の場合、そのすぐ隣は車掌室ですが、集団で共謀しているため、1人が車掌室からの視界をさえぎってしまえばそこからは見えません。

また、業務中は電車の運転に集中するため、よほどの異変でもない限り車内に注意を向けることはないでしょう。

逃げ場のない車両に注意

その盲点もついていると言えます。また、先頭車両の角が多いもう一つの理由が、他に逃げ場所がないということです。

連結している車両がなく、逃げる場所がはじめから失われています。このような理由から、先頭車両の角にはまず乗らないことが「集団痴漢」に遭わないための対策と言えるでしょう。

ところで、集団での痴漢を共謀する場合、どのような仲間で行うのかも気になる部分です。普段から見知っている友人や仲間である場合もありますが、掲示板などで集まった知らない者同士である場合も見られます。

前者であれば、仲間のうちの1人だけでも現行犯で捕まえることができれば、他の犯人も割り出すことは可能です。しかし、後者の場合はそもそも知らない者同士なので、そこから他の犯人につながる可能性は低くなります。過去の「集団痴漢」では、たまたま近くに乗り合わせた他の男性客の目撃と証言で捕まえることができた事例はあります。

被害にあわないために

しかし、抵抗されたことで結局は逃げられてしまうというケースも少なくはありません。集団の場合は、1人を捕まえても暴れられてしまえば注意が向いてしまって、結局全員を逃してしまうこともありえます。

集団での痴漢は、犯行も逃亡も有利にはたらきやすいと言えるでしょう。普段から痴漢に遭いやすいという人は、できる限り満員電車には乗らないことも対策の一つです。疑わしい行為があれば、いつもより早めの電車にするか、可能なら路線を変えてみましょう。明らかに触られていると感じたら、それ以上痴漢に遭わないために工夫することも必要です。

「痴漢できる女性」と判断されると、仲間で共謀して「集団痴漢」のターゲットにされる可能性も考えられます。逆に、乗客が少なすぎる車両も考えものです。目撃者が極端に少ないのも犯行が起こりやすいので注意しましょう。できるだけ逃げ道のある車両や場所に乗るようにし、不審な行為を感じたらそこから離れることです。

そして、痴漢の発生が多い路線や時間帯などもチェックして犯行のターゲットにならないように気をつけてください

盗撮用のカメラを見つけた!警察に通報すべき?

盗撮用カメラを発見してしまったら

盗撮用のカメラを見つけてしまったら、気が動転して「どう対処すれば良いのか」と戸惑うこともあるでしょう。カメラがどこに設置されているかによって、対処方法や対応する法令は違ってきます。

店舗や学校、会社のトイレや公衆トイレなど、公共の場に設置されている場合には、すみやかにその場を離れて施設の管理者や警察に連絡することが大切です。自宅に設置されている場合は、明かりを消すかカメラに布を被せるなどして、それ以上覗かれることを防いでから警察に通報しましょう。カメラを見つけたのが女性で、そのカメラで盗撮された可能性がある場合には、中に何が映っているかと気になって羞恥心から取り外してしまいたい気持ちになるのは当然です。

しかし、慌ててカメラを壊したり取り外したりしてはいけません。カメラは犯人を見つけるための大事な証拠となるのです。犯人が捕まらない限り、再び盗撮されるのではないか?という恐怖から逃れることができません。盗撮に関わる主な法令としては、軽犯罪法と都道府県の迷惑防止条例があります。

(警視庁サイト:迷惑防止条例

軽犯罪法とは

軽犯罪法は軽微な秩序違反行為を取り締まる法律で、正当な理由がなく「普通人が衣服をつけないでいる場所」を覗き見ることを禁止しています。

覗き見るという行為自体を問題としており、たとえ覗き見た先が無人でも罪に問われます。一方、迷惑防止条例は都道府県で定める条例なので、都道府県によってその正式名称や内容は一様ではありません。

普通衣服をつけていると考えられる公共の場での盗撮は、軽犯罪法ではなく迷惑防止条例によって取り締まられるのが一般的です。迷惑防止条例違反は親告罪ではなく、被害者の告訴がなくとも公訴を提起できます。

また、盗撮器設置のために住宅や特定の施設へ不当に侵入した場合には、住居侵入罪や建造物侵入罪にも該当することになります。店舗や学校のトイレなどで盗撮用カメラを見つけた場合、その事実が表沙汰になることで店舗の信用に傷が付いたり責任問題に発展したりするおそれがあり、それを回避するために穏便に済ませようと考える人がいます。

しかし、そうした対応が罪に問われるケースも起こっています。2017年に発生した事案では、学校内で1教諭が盗撮していたことに校長が気づいていたにもかかわらず、警察に通報せず証拠の動画を削除したとして、犯人隠避と証拠隠滅の罪で書類送検されています

盗撮は被害者を傷つけ、公共の秩序を乱す、れっきとした犯罪であり、それを隠すことも犯罪になることがあるのです。

多様化する盗撮被害

盗撮カメラをはじめ、盗撮グッズは飛躍的な進化を遂げ、軽量で安価になっていることから気軽に盗撮へと手を染める人も増えています。

このような卑劣な犯罪を野放しにしないためにも、盗撮カメラを見つけたら速やかに警察へ通報しましょう。盗撮カメラを発見する機器や、発見するための手順などに関する情報はネット上に多く掲載されているので、こうした知識を賢く利用して盗撮の被害に遭わないように自衛することも大切です。

しかし、万が一盗撮の可能性を感じたら、信用できる弁護士などに相談してみるのも一つの方法です。カメラに写っている内容が気になってしまうこともあるでしょうが、信用できない探偵などに取り外しを依頼すると、さらに被害が拡大する危険もあります

まずはいったん冷静になってから、適切な対処方法をとるように心がけましょう。

国選弁護士と私選弁護士どっちに頼む?痴漢冤罪で逮捕された!

刑事事件で裁判になると、被告側、検察側に分かれて主張をし合うことになります。そこでの弁護士の存在は非常に大きく、刑事手続きの進行が検察や裁判所で行われる際、様々な手段を用いて抵抗をしたり、被害者との示談交渉などを行います。

特に示談交渉は当事者間ではほとんど成立しないため、将来的に刑の軽減などを考える場合には、弁護士にそのあたりのことを任せるのがセオリーです。そんな中、私選弁護と国選弁護という2つの存在があることに気づきます。それぞれにどのような違いがあるのか、知っておきたいところです。

私選弁護士

私選弁護士は、被疑者や被疑者の家族などが選んで選任するものです。メリットとしては、逮捕段階、もっと言えば、逮捕される可能性が濃厚という段階から弁護を依頼することができることです。

場合によっては、逮捕を避けることができるように、逮捕前に示談交渉をしたり、警察の勾留、任意の事情聴取などを防ぎ、簡単には身柄を引き渡さないということもできるようになります。

国選弁護士

国選弁護士の場合は裁判所が選任するため、勾留されてからの決定となることもあり、対応が若干遅れてしまうこともあり、そのあたりに違いがみられます。

メリットデメリット

次に、私選弁護士は被疑者自らが選定できるため、被疑者が弁護内容を気に食わないとなれば、解任をすることができます。それで別の人に切り替えることもできることから、方針が変えて弁護をしてくれる人を変えるということも行われています。

一方、裁判所が選定する場合、たとえ被疑者が変えてほしいと思っていてもそれを判断するのは裁判所であるため、弁護に関して何ら問題がない場合であれば、わざわざ被疑者のために変えるということはしません。そのあたりの良し悪しは大きく分かれますが、自費で雇うかそうでないかはかなりの違いです。

国選弁護士のメリットですが、被疑者の費用負担が行われないことがあるというのがその1つです。基本的に訴訟費用としてこれらの費用を裁判所が請求することになりますが、被疑者、被告人が訴訟費用を満足に払うこともできない場合、免除を許すことがあります。

そのため、生活が困窮している人が被疑者、被告人になったとしても、それを裁判所が確認し、免除を認めることがあるため、安心して裁判を受けることができます。国が費用負担をしてくれるため、弁護を担当した人物に報酬が支払われないわけではありません。

昔から、被疑者、被告人の支援者がカンパを集めて弁護をする人を探すということも行われており、刑事事件などではいかに支援者を集め、腕利きの人にお任せして無罪を勝ち取るかというのが当たり前のように行われています。

そのため、生活が困窮していたとしても、明らかに無罪の可能性があるという場合は有志の人々が立ち上がることもあります。また刑事事件に詳しくない人が選任されることもあり、結果的にそれが罪刑を左右することもあることから、注意が必要です。