山手線に防犯カメラ導入決定で効果はあるか?

ここまで、個人でできる痴漢対策を中心に考えてきましたが、もちろん鉄道会社でも各種対策が取られています
女性専用車両の導入はもちろんのこと 例え
ば痴漢防止のためのポスターや広告を駅構内
や電車内に設置するとなど、周知、啓発するような活動も行っていますが
正直なところ直接的な効果はあまりないのではないでしょうか
やはり最大の抑止力は、犯行を見られるという点にあります
しかもカメラでの記録であれば、刑事事件となった際の証拠としても十分です
最近のニュースでは、東京都内でも山手線に車内防犯カメラを2018年春から導入し
2020年までに全車両への導入を完了させるということで話題になっています
これは東京オリンピックなども見据えたテロ対策という側面もありますが、果たして車内防犯カメラによって痴漢にも効果があるのでしょうか

■車内防犯カメラの現状

実は、 山手線以外でも既に防犯カメラが導入されている路線は既にあります
JR東日本でも新幹線などでも防犯カメラが設置されていますが、これはどちらかというと痴漢以外の保安上の目的と言えそうです
在来線ではじめて防犯カメラが設置されたのは埼京線でした
2009年12月からということなので、かなり早期から対策が取られていたということですね
なぜなら、埼京線は痴漢の多い悪名高き路線だったからです
混雑度と駅の間隔が比較的長いことから、痴漢にとっては好条件ということが理由のようです
しかしカメラが設置されたのは特に混雑するとされる一部の車両のみでした
しかし、設置された翌年の発表では、実際の痴漢摘発件数は半減したということでした
もちろんカメラはすべての場所が映るほどの数ではありませんし、死角となる部分も多いはずです
カメラの設置が報道されたことなどもあり、心理的にかなり抑制効果があったということのようですね

■防犯カメラは痴漢に一定の効果あり

埼京線では一部の車両への導入にも関わらず痴漢は減ったとの実績があるため、防犯カメラ導入はそれなりの効果があったとは言えそうです
しかしそれでもなお、2010 年1月~2月の2か月間で、埼京線では15件の摘発がされているのには驚きます
当然、明るみに出るのは氷山の一角だと考えられるので、実際には相当の件数があったと見て良いのではないでしょうか
カメラの目を逃れて痴漢をすることで、よりスリルを味わうという側面もあるようです
そんな中、全車両への設置をするという山手線ではその本気度が伺えるので、期待しても良いのではないでしょか
その他、私鉄などの状況を見てみると京王線は2011年に一部車両で導入しています
東京メトロや都営地下鉄、東急電鉄などでもやはり東京オリンピックを見据え2020年までに順次導入を進めていくとしています
プライバシーや費用の面で運用が難しいこともありますが、痴漢の多い路線には他にも期待したいですよね

もしかして痴漢・・・?まず取るべき行動とは

次に、私たちが痴漢に遭ってしまった時、どうすればよいのかを調べてみました!
痴漢の多くが電車内で起きていることが分かりました。そのような時にまずどうすればよいのかを考えてみます。

■確実な場合には現行犯逮捕?

例えばもしもあなたが痴漢の被害に遭っていることが確信でき、しかも相手を特定できているということならば現行犯逮捕をすることです。
逮捕って警察官でないとできないのでは?と思うかもしれません。
しかし、現行犯であれば誰でも逮捕はできるのです。これを「私人逮捕」と言います(刑事訴訟法第213条)。

また

逮捕後は直ちに地方検察庁・区検察庁の検察官、又は司法警察職員に引き渡さなければならない(刑事訴訟法第214条)

とされていますので、速やかに警察官などに連絡をしましょう。

ただし、ここで気を付けなければならないことは基本的に「逮捕」という行為自体は人権を制約する行為なので様々な条件や制約などがあるということです。
逮捕の必要性も問われる場合もありますし(刑事訴訟法第199条)、違法な逮捕だった場合には逆に逮捕罪(刑法220条)、また誉毀損罪(刑法230条1項)などの可能性も含みます。
これらのように、逮捕の正当性を争われる可能性もあるのです。誰でもどんな時でも逮捕できるという事もよく聞きますが、要件があるため注意が必要です。

■まず拒否をすることと駅員さんに相談

はっきりと痴漢されていることがわかり、しかもその場で逮捕をする、ということは被害者にとってかなり勇気が必要なことです。また、本当にその人が痴漢をしようとしていたのか、加害者が誰なのか自信がないという場合もあるでしょう。
後々のトラブルの心配もありますし、声を上げることは多くの人にとっては、分かっていても行動に移すことは難しいはずです。

そこで、まずは拒否する反応をきちんと分かるように示しましょう。加害者本人は止める気がなくても周囲の人たちが気づいて、何らかの形で助けてくれるはずです。
どうしてもその場で言えなかった、周囲の人の協力を得られなかった場合など には、電車を降りるタイミングで加害者を呼び止めて電車を降りて警察官や駅員さんに対応を求めましょう。駅員さんなどは慣れているので、きちんと対応をしてくれることでしょう。
万が一逃げられてしまっても心配することはありません。ほとんどの駅には防犯カメラ等があるので逃げ切ることは困難なのです。
そのために、きちんと状況を具体的に説明できるようにしておくことが大切です。

■痴漢は犯罪

冤罪や痴漢詐欺が話題になることもあったり、後の争いのことなどを考えたりすると穏便に済ませておきたと思わないでもありません。
しかし、やはり痴漢は「犯罪」です。その後、場合によっては加害者との和解などもあるかもしれませんが、まずは法に従って司法判断に委ねるのが良 いのではないでしょうか。
また、例えば、街中での痴漢であれば警察官に相談(最寄りの交番や110番通報)となりますが、よほど大きな駅でもない限りはすぐに警察官のところまで行くのは難しはずです。
しかし、電車内では込み合った状況で行われることから他にもたくさんの人がいるはずですので、まずは助けを求めること。次に電車を降りた後に駅員さんに相談ということが一番現実的ではないでしょうか。

ついにこんなものまで!痴漢冤罪保険とは

最後に、男性側では痴漢のどんな対策が取られているのかを調べてみました!
男性専用車両の実現可能性が低いなか、万が一痴漢の疑いをかけられた時のために「痴漢冤罪保険」なるものがあるようです。
一体どんなものなのでしょうか?

■痴漢の疑いをかけられた時にはどうする?

少し前まで、「痴漢を疑われた時にはまずその場から逃げる」ということが得策とされていたようです。
ある時期まではテレビなどで弁護士がそのように語っていたこともあったようで、ある程度根拠があったことなのかもしれません。
しかし、逃走の結果、線路内に侵入したり、更なる事故を引き起こしたりと問題になることも多くあります。また、逃走したとしても、駅構内の防犯カメラなどで結局は身元が判ってしまうというケースも多いようです。
そのために、現在では「すぐに弁護士を呼ぶ」ということが一番の対策ということになっているようです。
しかし、ほとんどの人にとっては心当たりの弁護士などはいないはず。いざという時にどうやって弁護士を呼んだらよいものかと困ってしまうのではないでしょうか。そこで注目されたのがこの保険でした。

■痴漢冤罪保険とは

保険の内容は、痴漢の疑いをかけられた時にスマホで連絡することによって、全国各地の提携弁護士に連絡が行き、最寄りの弁護士がすぐに相談に乗ってくれるというもの。事件発生後48時間以内の相談料などの弁護士費用が補償されるそうです。

この商品は、「ジャパン少額短期保険」が始めたもので、「痴漢冤罪ヘルプコール」というサービスですが、個人賠償責任保険と弁護士費用保険をセットにしたものです。
これは何も痴漢のための保険というものではなく、万が一の事故に備えるためのものですので、日常的に巻き込まれやすい交通事故やスポーツでの事故などの賠償責任や過失がない場合の弁護士費用を補償するものです。特に目新しい種類の保険ではありませんが、何よりもボタン一つで連絡ができる「痴漢冤罪ヘルプコール」の機能に注目が集まったこと、月額590円、年額6400円という料金設定もあったこと、逃走したことがニュースでよく取り上げられているなどのことから話題となり、加入者を増やしているそうです。
ただし、あくまで冤罪の段階でのこと。逮捕、勾留されて被疑者となってしまった時の着手金などは対象外となっているので注意が必要です。

ここで注目したのが女性もこの保険が使えるという点。被害者の立場からは逆に、「痴漢被害ヘルプコール」という機能があります。そのため、女性の加入者もそれなりに増やしているということです。

日本の痴漢トラブルの現状。海外との違いとは?

■痴漢って一体どんなこと?

私は毎日いくつかの路線を乗り継いで東京都心まで通う30代のOLです。
通勤電車では様々な事件が起こりますが、中でも、最近話題になっていることもあって「痴漢」事件とは何かを改めて 考えてみたいと思います。
私自身、特に混み合うとされる路線に乗っているため、痴漢というと電車で行われるイメージがありますが、決してそれだけではありません。
痴漢という言葉自体は、辞書で調べてみると「女性にみだらないたずらをしかける男」やその行為自体のことを指しているそうです。そのため、電車以外で被害に遭う可能性もあるといことですね。
まずは痴漢を犯罪という面から見た時に、どうなっているかを調べてみました!

■日本における痴漢とは?

辞書通りの行為を犯罪として当てはまてみると、二つの犯罪の可能性が出てきます。警察などでも痴漢をこのいずれかの犯罪として定義しているようです。

まず、一番抵触する可能性が高いのが各都道府県や市町村などで定めている条例、「迷惑防止条例」の違反です。

次に、程度によっては刑法第176条の強制わいせつ罪となることもあります。罰則もより重く、6月以上10年以下の懲役となります。
より悪質な場合には強制わいせつ罪になるのでしょうが、親告罪という側面もあり単独での痴漢の場合には被害者の告訴が必要です。
一方、迷惑防止条例ではその行為を行っていたことだけでも問題にできるのです。
ちなみに、痴漢の被害は女性だけとは限りません。以前は迷惑防止条例の対象を女性と限定していましたが、現在では改正され、男性への被害にも当てはめることができます。

警察の統計などではこららの罪で検挙した件数は、半数以上が電車内で起きているという現状があるようです。その次には駅構内です。
特に東京都では混雑している電車や駅が多い状況もあってか 、この傾向が高いようです。やはり痴漢は電車内でよく起きているのですね。
ただ、人気のない夜の帰り道などでも被害は多いとのこと。家に着くまではいつでも痴漢に遭う可能性があると覚えておきましょう!

■海外での痴漢事情

ちなみに、海外では痴漢はどのようになっているのでしょうか。
電車内での痴漢というようなものは海外で、日本独特のものだと報じられることが多いようです。
「電車内での痴漢」というものは、満員電車などの通勤・通学というような都市部での状況や、、声を上げにくい女性が多いというような日本独自の事情によるものだというのです

ただし、このような痴漢に当てはまるような行為自体が海外では存在しないということではありません。問題視されていないというだけで、潜在的な問題として痴漢行為は存在しているようです。
確かに多くの国では日本のような満員電車はあまり見られませんし、海外では女性であってもハッキリと意見を主張するというような傾向にありますが、状況が揃えば痴漢のような行為は存在しているようです。ただ、日本ほど痴漢に対する法整備が進んでいないという現状があるようです。
海外旅行などでもやはり痴漢には気を付けるに越したことはないということですね。

そもそもどうして痴漢が起こるのか。原因と対策を考える

今まで痴漢とは何か、そして痴漢に遭った時や目撃してしまった時にはどうすれば良いかを調べてみまし た!
しかし、そもそも痴漢がなければ余計な心配もしないで済むはず。
男性側の欲求という部分から起こるということは前提のもとに、ここでは社会的、環境的な要因から痴漢の原因を考えてみましょう。
そうすると対策方法も分かってくるのではないでしょう。

■痴漢の起こる原因

・混雑している電車

東京などの都市部では朝と夕方の通勤、通学の時間帯を中心に非常に混み合います。
混雑している車内では自然と他人と身体が密着するとほどで、その気がなくても接触してしまいます。このような状況では自然にぶつかるように装って少し手を伸ばすだけで痴漢行為が出来てしまいます。また、死角が多いため周囲の目を逃れての行為が容易いものです。さらに、駅と駅の感覚が長いという路線での被害も多いようです。
空いている電車内での痴漢というものは明らかに目立ちますし、かなり難しくなるのではないでしょうか。電車内での痴漢が最も多いということの原因は間違いなくこれではないでしょうか。

・声をあげにくい被害者

もう一つの痴漢行為を助長させる要因は、被害者が訴えないことが多いということにあります。
大人しく、抵抗されないような人を狙っているようです。恥ずかしいという思いや、後々面倒になりそうなことを考えると、その場限りのものとして我慢してしまう人も多いのかもしれません。
痴漢をする男性には、性的な欲求を満たすというだけではなく、弱者に対しての支配という側面が強くあると言われているようです。
たくさんの人が乗り合わせている電車内ですので 、痴漢をされて反撃されることが当たり前の世界では、誰も痴漢はしないはずです
このように、対象者を甘く見てつけ込んでいるのではないでしょうか。

■原因から見た対策

・混雑している電車には乗らない

満員電車の問題は何も痴漢対策だけではありません。鉄道会社や自治体などが主導して、出勤時間をずらすなどのキャンペーンを展開するなど、満員電車解消に向けた取り組みが為されています。
ただし、個人だけの問題ではなかなか解決しないのが問題で、これが可能な人は限られているという現実はありそうですね。

・被害に遭ったら必ず訴える

やはり泣き寝入りしない姿勢を見せるということです。
痴漢をしても問題に、被害に遭っても黙っているから痴漢をしても良いの だという思い込みから犯行に及びます。
最初はほんの少し、身体が触れただけという事から始まり、次第に大胆な痴漢へとエスカレートしていくものです。小さなうちに芽を摘んでいき、「痴漢は必ず訴えられる」ということは最大の抑止力になるはずです。毅然として態度で、勇気を持った対処をしていくことが大切ではないでしょうか。