盗撮の罪に問われた時の刑罰はどれ位なのか

スマホ盗撮

盗撮の罪に問われた場合、刑罰の重さはどれ位なのでしょうか?

盗撮の刑罰

盗撮の刑罰はというと、一般的に公共の場で行われたか否かによって変わって来ます。

例えば東京都では路上や電車内やホーム、店内といった公共の場所で盗撮を行うと迷惑防止条例違反となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される事になります。

しかし公共の場とはいえない住宅内での盗撮は軽犯罪法違反となり、30日未満の拘留または1万円未満の科料となります。さらに他人の家の敷地内である庭や住居の中に入ってしまった場合はこれらに加えて、住居侵入罪や建造物侵入罪も成立する可能性が高く、刑罰はより重くなります。

現行犯逮捕

盗撮は基本的に現場を押さえられて現行犯逮捕される事がほとんどです。ただ逮捕といっても、初犯で本人が犯行を認めている場合には、調書をとってからすぐに釈放されるというケースが多く、こうした場合は在宅しながら手続きが進むのを待つという形になります。

示談が成立しないと

その期間中に被害者と交渉を行い、示談が成立すれば被害届を取り下げてもらえる可能性もあり、その結果不起訴処分になり前科が付かなくて済むというケースもあります。しかし示談が成立しなかった場合、略式起訴されて初犯であれば罰金2~30万円払う事になります。

前科と余罪がある場合

さらに逮捕された時に前科や余罪があったり、専門道具を使っていたりして悪質とみなされた場合は、家宅捜索され、パソコンや携帯電話やデジタルカメラなどを押収される可能性もあります。そして警察から2日以内に送検されて、3日以内に拘留されるかが判断されます。ここで拘留が決定すると最大で20日拘束されてしまいます。この場合は略式起訴ではなく、裁判で懲役が求刑される可能性が高くなります。

前科がついていると、常習犯とみなされ、懲役刑が約2倍になり、東京都だと1年以下の懲役が2年以下の懲役となってしまいます。それでも前科が1度ほどで、優秀な弁護士が付いていれば執行猶予が付くこともあります。

被害者との示談と不起訴

執行猶予を勝ち取る為には、被害者との間で示談が成立している事がとても大切です。しかし盗撮された被害者は中々話し合いには応じてもらえず、連絡先すら教えてもらえないという事が少なくありません。

こうした場合は、被害者と加害者が接触しないようにお互いの弁護士を代理人として交渉をするという形が示談交渉を成功させる近道となります。

そして何とか示談交渉が行えるようになっても、被害者側から盗撮された家にはもう住めないという事で引越し費用など様々な賠償費用を求められる事もあります。そこで納得が行かなくても示談を成立させて不起訴を勝ち取るには相手側の要求をのむという事も時には必要となります。

相手との示談交渉が決裂して、その結果起訴されてしまい、裁判で有罪となり前科をつけてしまうのか、それとも相手に示談金を払ってでも何度か不起訴までもっていくのか難しい判断となりますが、可能であれば今後の事を考えて不起訴になるように交渉していく事が何より最善の策です。

痴漢冤罪と証拠について

POLICEMEN

近年問題になっているのが、痴漢と冤罪です。痴漢はその場で言われてしまえば、決定的な証拠がなくても有罪になってしまうことが多いとされています。

痴漢と証拠

気になるのは、何を証拠にして逮捕、起訴されるかだと思います。
痴漢事件で証拠となるのは様々なものが挙げられます。

繊維鑑定

まず挙げられるのが繊維です。いわゆる「繊維鑑定」を行います。

しかし、繊維は様々なところで似たものが使われているため、よほど特徴的な繊維の一致がなければ下着に使用されている繊維と似たものが指に付着していたというだけでは、有罪するのは危険だと思われます。

DNA鑑定

被害者の体液が被疑者についていれば、DNA鑑定を行うことができます。これが一致する場合には有力な証拠となります。

目撃者

目撃者がいる場合には、その供述が重要となってきます。具体的で迫真性があるか、不自然だったり不合理な点がないか、目撃者の位置から本当に反抗が見えていたのかや被害者の話と整合性があるか、事件直後の話や警察官からの聴取、検察官からの聴取という過程の中で話が変わっていかないかなどを検討されます。

これの要件を満たすことで起訴の判断材料となり、裁判になれば公判廷で証言する必要も出てきます。

被害者の供述

被害者自身の話も具体的で迫真性があり、不自然・不合理な点がないか、供述に変わりがないか、目撃者がいるときには目撃者の証言と矛盾はないか調べた上で検討されます。

これは裏を返せば具体的で不自然でなければかなり重要視されることだとも言えます。これも裁判で証言する必要があります。

本人の自白

本人の自白も重要となります。やってもいないのに自白してしまい、自白した内容の供述調書に署名捺印してしまうと、のちに冤罪だったとしてもこれを覆すことは極めて難しくなるため注意が必要です。

ただし、被疑者の指に被害者のスカートや下着の繊維が全くついていない、DNA鑑定しても体液が付着していない、目撃者も被疑者も話に矛盾があるなどの場合には十分な証拠とはいえなくなります。

実際の事件では満員電車などある意味密室で起こることが多く、被害者の供述のみで訴えられるということが多くあります。

そこで被害者の供述が信用するに足りなければ、事件にならない可能性もあります。

冤罪にならないために

満員電車内の事件は、客観的な証拠が得られにくく、判断が難しいものです。被害者だけの供述のみでは冤罪を生み出す危険性も考えられます。

しかし、明らかに不自然で不合理な点がなければ、被疑者の供述のみで有罪とされることは今後とも十分にあり得ることです。

冤罪にならないためには、女性に痴漢だと言われたら車内ではっきりと何度も否定する、慌てずにホームに降りたらスマートフォンなどでやり取りを録音し、なぜ犯人だとする理由を聞き、それでも女性が騒ぐ場合には名誉毀損で訴えると宣言するなどの対処が必要となってきます。

また、片手でスマートフォンや本を持ち、もう片方はつり革につかまるなどの痴漢できない状況を作っておくことも大切です。