やっていないのに罪を認めてしまった・・・。どうすればいい?

突然ですが、みなさんは警察官につかまったことはありますか?
私は職務質問を何度か受けたことがあるんですが(なんだか怪しい人間に見られやすいたちなようです…)、はっきりいってものすごい威圧感ですよね。
何もしていないのに心拍数はバクバクで、受け答えもしどろもどろで余計に怪しい状況に…なんてことは私の場合は1回や2回ではありません。
電車での痴漢を疑われたというような閉鎖的な状況だと、事態はより深刻になることが容易に想像できますね。
「あなた痴漢したの?逃げても無駄だよ。とりあえず話聞くからこっちきて。」なんていうふうにいきなり尋問から入る警察官も少なくないので
思わずついていって罪を認めてしまった…
なんてことになる可能性は決して低くはありません。(こういう尋問の始め方は実は法律違反なのですが)
警察官から、「ひとこと『自分がやりました』と言ってくれれば、私が示談になるように被害者側を説得してあげる前科がついて仕事クビになるのに比べたら安
いもんでしょ 」なんて複数の警察官に取り囲まれながら言われてしまうと、罪を認めたくなる気持ちもわかります。
しかし、結論的には自白をしてしまうと極めて厳しい状況に追い込まれてしまうのは間違いありません。
今回は、やっていないのに罪を認めてしまった…という状況で私たちが次にとるべき行動について調べてみましたので、参考にしてみてください。

1.いったん容疑を認めてしまうと無罪の証明は極めて難しい

いったん痴漢をしたと容疑を認めてしまい、その発言が警察官の作成する調書に記載されてしまうと後からその内容を否認するのは極めて難しくなります。

近年では痴漢の操作に関しては物的な証拠(人間の発言等以外の証拠)が重要視されるようになってきています。

具体的には服についた指紋の採取やDNA鑑定などによって捜査が行われることが考えられます。

しかし、被疑者の自白がある状況ならば捜査側はその自白を元に立件する方向で捜査を進めようと考えるのが普通です。

となれば自白が警察官の心理的な圧迫によって行われたことの立証を行うことが対策として考えられますが録音などの状況証拠がない限りはこれも非常に難しいと言わざるを得ません。

それでも無罪を勝ち取るために徹底的に争うと言うのも一つの選択肢ですが
日本の刑事事件起訴後の有罪率が9割を超えていることを考えてもかなり厳しい戦いになるのは間違いないでしょう。

痴漢冤罪はとにかく認めないこと、少しでも早く当番弁護士を依頼すること、の2つが重要になります

2.示談に持ち込む?

被害者側に告訴状や被害届を取り下げてもらうことができれば、刑事責任を問われる状態からは避けることができます。

しかし、その場合には交渉の条件として多額の和解金を支払わされる状況になってしまう可能性があります。

示談に持ち込む方向での対策を取るかどうかはあなた自身の経済的な状況を考えながら判断する必要があります。

また、示談は口頭で処理するようなことはしてはいけません。

後から「そんな話は知らない」と被害者がわにしらを切られてしまうと、一旦支払ったお金の払い損…と言う状況にも巻き込まれかねないからです。

後日の証拠とするためにも、刑事事件として争わない旨を示談書面で定めなくてはなりません。

3.まとめ

今回は、自分はやっていないのに罪を認めてしまった…という後に、私たちがとるべき行動についてまとめてみました。

結論的には、この状況で自力で活路をひらく…というのは非常に難しいと言わざるを得ません。

少しでも早く刑事弁護を扱っている弁護士に連絡を取ることが必要ですから自分の勤務先や自宅近くですぐにかけつけてもらえる弁護士の情報は日頃からチェックし
ておくことをおすすめします。

痴漢に遭わないために気を付けるべき事【夜道編】

痴漢の多くは電車や駅で起きていますが、その次に危ないとされているのが人気のない夜道です。
誰も見ていないこと、野外であることから電車内の痴漢よりも大胆な犯行が多く、強制わいせつ罪となるケースも見られます。
気を付けけるべきポイントも、電車などとは異なる部分もあるので確認してみましょう!

■深夜の帰宅を避ける

警察などの統計によると、午後11時ごろから翌午前2時ぐらいまでに痴漢などが多く起きているようです。この時間をできるだけ避けるということがまずは良さそうですね。

■車や人が通る明るい道を通る

遅い時間の帰宅では、可能であれば多少遠回りになってしまっても、人目があって明るい場所をできるだと通る方が安全です。
誰かが見ているところでは痴漢は手を出すことはありません。

■一人では歩かない

もし可能であれば、家族などに迎えに来てもらう。また、自宅までタクシーなどを使うことが可能であれば、夜道で痴漢に遭うことはありません。
自転車などの利用も良さそうです。

■防犯ブザーを付ける

咄嗟のことに声を出すことも難しいかもしれないという時、頼りになるのが防犯ブザーです。、
ブザーの音は遠くまで聞こえるので、近くに人がいなくてもどこかで聞こえているはず。
バッグに付けるなど、できれば外から見て分かる方が抑止力になるようです。

■ながら歩きをしない

歩きながら音楽を聴いたり、携帯電話での通話をしたりしていると、周囲のことに目が行かなくなってしまいます。
気が付いた時には危険がすぐ傍にまで…ということも考えられます。また、痴漢をしようと考えている人にとっても好都合だと思わせてしまいます。
もちろん歩きスマホなどは事故の危険もありますよね。

■いざという時のための備え

できるだけ避けようよしても、やはりどうしても深夜誰もいない暗い道を通らなければなら ないことはあるでしょう。
また、どんなに予防をしていても痴漢は襲ってくるかもしれません。
そこで究極なのは護身術を身に着けておくこと。また、防犯グッズをバッグに忍ばせておくのも良いかもしれませんね。
反撃してきたらほとんどの痴漢はそのまま逃げていくものです。

■夜道では痴漢以外にも気を付ける

同じ状況で起きる犯罪は痴漢だけではありません。ひったくりなど強盗も多く発生しています。
そのため、より多くの人が被害に遭う可能性もあります。
電話など他のことに気を取られている素振りを見せないことや、しっかりと荷物を持つなどスキを見せないことが大切で、慎重な対策が必要かもしれませんね。

痴漢を疑われDNA鑑定を要求された!拒否しても大丈夫なのか?

痴漢冤罪に巻き込まれ、実際に警察官に逮捕される段階にまで進んでしまうと写真撮影や指紋採取、さらにDNA鑑定などを行われてしまうことがあります。
そもそも冤罪で自分は犯罪者でもなんでもないのですから、そういった情報を警察に把握されるなんてことはできれば避けたいことですよね。
問題は拒否をしても問題がないのか(後から裁判で不利になるようなことはないのか)ですが写真撮影や指紋採取に関しては「逮捕」という刑事手続に含まれていることなので、逮捕状が出ている以上は拒否することができません。
(根拠としては刑事訴訟法218条3項という法律があります)
しかし、結論からいうとDNA鑑定についてだけは別で,求められても拒否することが可能です。
というのも、DNA鑑定については上の刑事訴訟法の条文にいう「逮捕」という手続きには含まれていないからです。

1.「ついでにDNA鑑定もやらせてよ」といわれも拒否しよう

実際は 警察官は写真撮影や指紋採取をした後に 「ついでにDNA鑑定もやらせてほしい」というようにさらりと確認を取ってくるケースが多いようです。

確認をとってきたことに「はい」と答えてしまうと、任意の捜査依頼に対して同意を与えたことになってしまいます。

警察側としては被疑者側の同意を得ることができれば DNA鑑定のための別の捜索令状をとることを省略することができますから手っ取り早いというわけですね。

DNA鑑定の結果として「現場で採取したDNAと あなたから採取したDNAが一致し
ました」といわれると 私たちの側としては反論のしようがなく 決定的に不利な立場に置かれてしまう可能性があります。しかも、次で説明させていただく通り、もしDNA鑑定の結果ではあなたは「シロ」だったとしてもそのことからただちに無罪が証明されるようなことはありません。

2.DNA鑑定の結果として何も出なくても、何の得もない

受けることに同意してしまった結果として行われるDNA鑑定で 例えあなたが「シロ」という結果が出たとしても、あなたにとって得をすることは何もありません。

DNA鑑定の結果として物的な証拠が見つからなかったとしても、そのことがあなたが痴漢をしていない根拠とみなされることはないためです。

しかも DNA鑑定の結果として何らかの形であなたのDNAが被害者の衣服から検出されてしまったりすると、決定的に「クロ」として扱われてしまいます。

捜査機関側としては「DNA鑑定の結果として何か証拠が出れば結果オーライ」ぐらいの感覚でDNA鑑定を行います。

結論的にあなたとしてはDNA鑑定を受けることに同意するメリットは何もないものと考えておく必要があります。

3.まとめ

今回は、痴漢冤罪で警察官からDNA鑑定を求められた時の対策について紹介させていただきました。

結論的に、痴漢を疑われている側としてはDNA鑑定を受けるメリットは何もないということが言えます。

警察官に逮捕されてしまった場合、写真撮影や指紋採取は拒むことができませんが、DNA鑑定については拒否することが可能です。

警察はなにげない形で同意をするようせまってきますので、安易に行動してしまってはいけません。

判断に迷った場合には、刑事弁護を扱っている弁護士にアドバイスを求めるようにしましょう。